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ご挨拶「はばたきの成り立ちについて」

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  • 2014.12.20

ご挨拶「はばたきの成り立ちについて」

社会福祉法人はばたき福祉事業団理事(東京HIV訴訟弁護団) 安原幸彦

 


東京HIV訴訟弁護団の一員として、当初より関わってきた経過がありまして、社会福祉法人はばたき福祉事業団の生い立ちについてご紹介させていただきます。

 薬害エイズの闘いの中で、今大平理事長がいわれたように、被害者自身によって救済事業をしよう、そしてその母体になる団体を作ろうという議論は1995年、裁判所の和解協議が本格化した頃から始まりました。

 記録をひも解きますと、1995年11月22日に裁判所に提示した「恒久対策素案」の中に、「財団法人血友病薬害救済センターに関する要望」という書面が見られます。原告団がまとめた最初の構想であったと思います。裁判解決後も救済活動に長く取り組んでおられるサリドマイド被害者の「いしずえ」、森永ひ素ミルク被害者の「ひかり協会」の実践に学びながら、私たちは構想を固めてまいりました。

96年1月7日、この日の原告団総会を私は鮮明に覚えております。薬害エイズ解決の大きな転機となる2月の3日間の座り込み、これを決めた原告団総会です。この日に、「仮称財団法人血友病救済センターについて」という基本構想も採択しました。

 そして解決後の5月19日、原告団総会で準備会の設置と1被害者100万円の拠出を決定いたしました。その後準備会では議論を重ね、96年秋からは認可に向けての厚生省との協議を開始しました。

 ただこの段階では、法人としての活動実績を作ってから具体的な法人化をしようということになりまして、任意団体としてはばたき福祉事業団を発足させることになりました。こうして97年3月23日の原告団総会で、任意団体としてのはばたき福祉事業団を立ち上げました。その後活動を積み重ねてまいったことは皆様もご承知のとおりであります。

 法人化について議論を再開したのは2004年秋でした。2年ほど前のことです。

 その理由は、この間の取り組みで確かに被害救済は進みました。しかし、C型肝炎との重複感染の問題や遺族のPTSDを含めた被害救済など、まだまだ救済のための取り組みが必要だということも明らかになってきました。

 薬害被害救済のためには、自分たちの救済活動だけではなく、広く多くの薬害、あるいは薬害根絶に向けた活動が必要である、そのためには今任意団体として活動しているはばたき福祉事業団を、もっと末永く存続できるよう法人化を図ろうではないかと考え方が固まっていったのです。

 法人化のメリット、デメリット、それぞれに議論いたしました。法人化することによって組織を整備し、預金や不動産などの資産の名義もきちんと法的に明確にしよう、あるいは社会的信用度も増すようにしよう、職員のモチベーションを上げよう、税務上の寄附なども受けやすくもしよう、こんな議論もしました。


一方で法人化をすれば役員登記をする関係で、役員の氏名を公表することになる、また官公庁の審査も受けることになる、そういう点は問題ないだろうかということも議論しました。薬害エイズ訴訟は、訴訟としては戦後初めてだったと思いますけれども、匿名訴訟という形で、何よりもプライバシーを大事にしてきました。しかしこの間の闘いの中で、大平さんを初めとして、氏名を公表できる、顔も公表できるという環境を作ってきたという確信に至りました。

 そういう中で法人化を進めることになり、諸官庁を始め関係各位のご協力も得まして、また様々な検討を経て、当初は財団法人というイメージでいましたけれども、今日の金利を含めたいろいろな情勢を考慮し、社会福祉法人を選択したわけであります。

7月27日の申請から8月28日の認可まで、もちろん準備にもいろいろありましたし、また申請後に様々な私どもの未熟さもあって、いろいろと不備もございましたけれども、関係各位のご協力を得て無事に発足することができました。

 とは申しましても、まだ法人としてはひよこ、赤ちゃんの状態でございます。私を含めて理事全員が今日もお披露目に先立って理事会を開き、今後の奮闘を誓い合いましたけれども、先ほど大平理事長も申し上げたとおり、皆さんのご支援なく今後の活動はできないと思っております。ぜひ今後とも社会福祉法人はばたき福祉事業団を温かい目で、ご指導ご鞭撻をいただきたく、そのことを申し上げてご報告とさせていただきます。どうもありがとうございました。

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