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◇はばたき血友病情報(治療) 「最近、気になる血友病患者の脳内出血・頭蓋内出血」

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  • 2011.7.26

『アメリカの血友病患者における凝固因子製剤予防投与と頭蓋内出血の関連』

著者名: Witmer C, et al
雑誌名:「Br J Heamatol 152: 211-216, 2011.」

【要旨】
 血友病患者において、頭蓋内出血(ICH)は最も重症な出血である。著者らは、血友病患者におけるICHの危険因子を究明し、予防投与がICH発症を抑制するかどうか検討した。

 2歳以上の血友病10,262例のうち、199例(1.9%)においてICHの発症がみられた(発症率390/10の5乗 人・年)。88/199(44%)において頭部外傷が報告されていた。ICHによる死亡は、39/199例(19.6%)であった。

 有意なICH危険因子は、高力価インヒビター(OR 4.01)、ICHの既往(OR 3.62)、重症血友病(OR 3.25)であった。
 予防投与は、HIV陰性でインヒビターの出現していない重症血友病におけるICH発症を有意に抑制した。ICHの最も強い危険因子は、インヒビター保有、ICHに既往、重症血友病、頭部外傷であった。

以上、
血友病に対する凝固因子製剤の予防投与は、合併症のない重症血友病におけるICHの発症を抑制するものと考えられた。

<血液凝固因子製剤 文献情報 #1139 No.60. 2011.3月((財)血液製剤調査機構 血液凝固因子製剤委員会)より>

※このところ、40-50代の血友病患者で頭蓋内出血・脳内出血で亡くなる人が少なくない。中等症や軽症の患者にも目立つ。突然の出血で、独居の血友病患者が亡くなったあと、発見される悲劇もある。心疾患・動脈硬化の問題も高齢化を迎え大きな問題でもある。HIV陽性の血友病患者はHIV自体の作用で血管内皮細胞に害を及ぼすことが指摘されていたり、抗HIV薬による高脂血症や糖尿病の発現など、いわゆる成人病対策が肝疾患リスクやリポジストロフィに加わってくるので、日常での管理がより総合的な診療として行なわれる必要が出てきた。HIV陽性の血友病患者についてはACCを中心に、血圧管理も含め研究班が立ち上がり、対策が検討され始める段階にきた。
 
 

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