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◇はばたき血友病情報(医療情報) [ オランダの家庭治療の学習 ]から

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  • 2012.3.16

タイトル:『オランダの経験:血友病患者における静脈注射の学習』
    (Learning intravenous infusion in haemophilia: experience from
     the Netherlands.)

出典:「Haemophilia. 2012 Feb 1. doi: 10.1111/j.1365-2516.2012.02752.x.
    [Epub ahead of print] 」 から

著者: Schrijvers LH, Beijlevelt-van der Zande M, Peters M, Schuurmans
    MJ, Fischer K.


要旨
  今日、オランダの血友病患者のほぼ全員が家庭での自己注射を実践している。
 凝固因子静脈注射を学習することは、時間と労力を要する。
  静脈注射を学ぶために負担と費やすための時間が必要であることを患者に知
 らせるために、我々は2施設で後方視的試験を実施した。

  1980~2010年の間にユトレヒトやアムステルダムで生まれた血友病患者を含
 む学習過程に関する全データは、患者ファイルから抽出した。患者と彼らの
 両親の計154名が解析された。(168名学習過程)

  ほとんど全ての患者は重症血友病であり、中央値2.7歳で予防を開始した。
 9名が一時的に中止し、後に成功した場合を含めて154名中152名が静脈注射を学
 ぶことに成功した。
  全般的に、患者および両親は、中央値7週間(IQR4-14.8)で中央値8回(IQR 4.3
 -14)通院することが必要であった。
  中心静脈カテーテルにより輸注を学んだ親は、中央値1.9歳で開始し、中央値
 7.5週間で11回通院を必要とした。
  事例の77%では、母親が最初に子供に輸注することを学んでいた。                                                                                                                                                                                             
  親は、中央値12週間、                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                 
  患者や親の大多数が輸注することを学習することができ、全患者および親の
 50%が7週間、8回以内の通院で成功していた。


用語:統計学用語IQR四分位範囲

四分位範囲
 データを昇順に並べたとき、
 小さい方から 1/4 の所の値を 第1四分位値(Q1)、
 大きい方から 1/4(小さい方から3/4)の所の値を 第3四分位値(Q3)
という。
 このとき四分位範囲(Inter Quartile Range, IQR) は次式で与えられる。
                                                                                                                                                                                        IQR =Q3-Q1
  範囲より外れ値、異常値の影響を受けにくいという特徴がある。
 

 オランダ事情.jpg

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コメント
  現在日本では、血友病の治療は家庭で自己注射することが中心となっています。
 血友病治療の基本は、凝固因子製剤の輸注(補充療法)による止血で、早期止血
が重要です。家庭輸注療法(自己注射)は極めて有用で、出血を繰り返す例では
定期投与による血友病性関節症の予防を、また出血が予想される場合には予防のた
めの補充療法を行うことで血友病患者の生活の質を向上させてきました。
 
 本論文は、オランダの血友病患者の自己注射と定期投与による家庭治療をしらべ
たものです。
 これによると、オランダでは幼少(中央値2.4歳)から定期投与をしており、2カ月
弱の期間で週1回程度の通院で自己注射を学んだことがわかります。また、血友病
製剤輸注に関しては、中心静脈カテーテルを用いての家庭治療もおこなっており、
こちらも患児の親がその手技を学習しています。こちらは自己注射と比べると、
手技を学ぶのに期間と回数を要しています。

                                              (M.E)

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