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【 韓国、血友病HIV感染被害訴訟、10年越しの和解が成立 】

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  • 2013.11.23
 
 『 韓国の、血友病患者のHIV感染被害訴訟、10年越しの和解が成立 』
 
 日本では1980年代に、血友病患者に輸入血液凝固因子製剤によりHIV感染被害が起き、
 
1989年に国や当該製薬会社に被害拡大などの賠償責任を求めて提訴した、遅れること
 
1990年代初め感染した血友病患者・家族が2003年に提訴。10年越しの和解(HIV感染被
 
害を受けた血友病患者18人と家族ら計95人との間で)が成立した。
 
 下記に、朝鮮日報の記事(宋元亨(ソン・ウォンヒョン)記者)2013年11月5日付か
 
ら紹介します。
 
 
 ソウル高裁は11月4日、HIVに感染した血友病患者18人と家族ら計95人と、問題の血友
 
病治療剤を製造した緑十字ホールディングスとの間で和解が成立したと発表した。
 
 和解の内容は、緑十字が責任を取る形ではなく、公益的見地で原告に慰謝料を支払
 
い、原告は緑十字に民事、刑事上の責任をこれ以上問わないとするものだ。ソウル高裁と
 
裁判当事者は、慰謝料の具体的な金額については公表を差し控えることを決めた。
 
 
 血友病患者らは、緑十字が1991年に血友病患者の治療、リハビリを目的として設立し
 
た「韓国血友病財団」に会員登録し、緑十字ホールディングの血友病治療剤を有償、無償
 
で受け取った。
 
 全賢姫(チョン・ヒョンヒ)弁護士(元民主党国会議員)は、2001年に血友病治療剤を
 
使用中にHIVに感染した患者がいるという事実を偶然知り、患者と家族らを説得し、訴訟
 
を開始した。血友病患者16人は2003年。緑十字がHIV感染者の血液で血友病治療剤を生産し
 
たとして、同社を相手取り、総額32億ウォン(現在のレートで約2億9700万円)の損害賠
 
償訴訟を起こした。
 
 一審は2005年7月、患者12人について、血友病治療剤とエイズ発病に関連性が認められる
 
と判断し、HIVへの感染事実を知ってから10年という損害賠償の請求事項を経過していない
 
患者1人とその家族に対する5000万ウォン(約464万円)の賠償を命じた。
 
 緑十字は控訴し、二審は2008年1月、血友病治療剤とエイズの関係に蓋然性がないとして、
 
原告敗訴の判決を言い渡した。
 
 その後、原告は上告し、大法院は2011年9月「治療製剤の投与後にHIVへの感染が確認され
 
た場合、因果関係があると見るべきだ」として、審理をソウル高裁に差し戻した。
 
 ソウル高裁で行われた差し戻し審は難航。昨年2月から今年(2013年)1月まで5回の弁論
 
と7回の調停が行われたが、結論が出なかった。
 
 今年2月から事件を担当したカン・ミング部長判事は、5月と7月に原告、被告の双方に
 
プレゼンテーションを求めた。また、患者と家族を証人として、血友病とエイズによる苦痛
 
について証言させた。
 
 原告側の全弁護士は「ソウル高裁の判決が出ても、一方が不服として上告すれば、裁判が
 
さらに何年も続くことになる。患者家族の経済的事情や消滅時効などを考慮し、和解に応じ
 
た」と説明した。被告側の慮栄保(ノ・ヨンホ)弁護士は「原告が多く、和解は困難だった
 
が、よくまとまったと思う」と述べた。
 
 
 法定で10年にわたる攻防を繰り広げ、感情的に深く対立していた双方が和解に達するのは
 
韓国では異例のことだ。
 
 今回の調停で、緑十字の血友病製剤によるHIV感染に伴う患者と同社の紛争は全て決着した。
 
 血友病患者らは、1990年代初めにHIV感染して以来、20年ぶりに製薬会社から慰謝料を受け
 
取ることになった。

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