• 北海道のHIV・エイズ情報 HAND社団福祉法人はばたき福祉事業団 北海道支部北海道のHIV・エイズ情報 HAND
  •  
  • hamataki 賛助会員募集! 1口1,000円(学生)から賛助会員を募集しております。
  • 就労支援!!HIV感染者の就労環境向上のために!
  • 世界肝炎連盟
  • はばたきWEB調査ポータルサイト

[ HIVワクチン(MVA-B)に関連した海外文献や医療ニュースから 3件 ]

HOME > はばたきインフォメーションスクエア > HIV・薬害エイズ情報 > HIV治療・治療薬

  • 2011.10. 7

 [ HIVワクチン(MVA-B)に関連した、 海外文献や医療ニュースから 3件 ]


NO.1
【 Medical newsから(一部要約)】

  「 第I相臨床治験で、HIVに対するMVA-B予防ワクチン免疫有効性が明らかになる。」

   スペイン上級科学研究諮問機関(CSIC)、マドリードにあるGregorio Maranon病院、

  バルセロナにあるClinic 病院で共同実施されている第I相臨床治験において、HIVに

  対するMVA-B予防ワクチン免疫有効性が明らかになりました。

   治験をした被験者の90%がウイルスに対する抗体を免疫応答がみられ、85%がウイ

  ルス応答を一年以上持続していました。この治療の安全性と有効性は科学誌Vaccineと

  Journal of Virologyの記事で説明されています。


   このワクチンの成功は、CSICの患者がウイルス粒子や感染細胞に対して反応する方法

  をヒト免疫系が時間をかけて獲得することに基づいています。

  「MVA-Bワクチンは現在、研究されている他のどのワクチンよりと同等か、もしくはそれ

  以上で効果を発揮することを証明しました」。とCSICの国立バイオテクセンター主任

  研究者であるマリアーノ・エステバン氏は述べています。


   2008年、MVA-Bはサル免疫不全ウイルスに対するマカクザルのみならずネズミで非常

  に高い有効性が示されました。ヒトにおける高い免疫応答により、第I相臨床治験が

  治療ワクチンとして有効性を調べるためにHIV感染者で実施される予定です。

   1999年にエステバンの研究チームは、改変したアンカラ・ワクチンウイルスを基にし

  た合成物質にちなんだMVA-Bの開発と前臨床試験を始めました。

   MVA-Bは弱毒したウイルスで、過去に天然痘を撲滅するためや他の多くのワクチンの

  研究のモデルとしてもまた用いられています。「B」はHIVサブタイプBを表しており、

  ヨーロッパでもっとも頻度が高いHIVサブタイプBに対して研究することを目的として

  います。

   MVA-Bの開発は、ワクチン遺伝子配列中に4個のHIV遺伝子(Gag、Pol、Nefおよび

   Envを挿入することです。健常者免疫システムは、MVAに対して応答することができます。

   一方で、DNA内に挿入されたHIV遺伝子は自己複製できず、臨床治療の安全性を確証し

  ます。健常被験者30例がこの臨床治験に参加しました。二重盲険試験で24例がMVA-Bに

  よる治療を実施しました。一方で、残りの6例はプラセボでした。3種類の濃度のワクチン

  は、0、4,16週に筋肉注射を介して投与されました。

   健常被験者にワクチン接種することは、ウイルス物質を検出や戦う方法を獲得するた

  めに免疫系を訓練することです。TおよびBリンパ球は本実験での主要な細胞であり、体の

  中にある外来物質を検出や破壊するのに適切な調整役を送ることを担当しています。

  「私たちの体は、リンパ球で満ちあふれています。どれもがあらゆる病原体に対して戦う

  ようにプログラムされています」

   この理由は、「自然に打ち勝つことが出来ないHIVのような感染源に遭遇した場合、

  訓練が必要なのです」とエステバン氏は述べています。

   リンパ球Bは、ヒト免疫応答に責任を負っており、HIVが侵入及び細胞に感染する前に

  攻撃する抗体を産生、外部構造に固定し、防ぎます。48週後の血液検査で、治療した

  被験者の72.7%がHIVに対する特異的抗体を有しています。

   一方で、Tリンパ球は細胞免疫応答を制御しており、HIV感染細胞を検知し破壊を担当

  しています。ワクチンに対する防御応答を証明するために、インターフェロンγの産生

  が検出されました。

   検査はワクチン最終接種後32、48週で実施され、ワクチン接種群のTリンパ球CD4細胞

  陽性細胞、CD8細胞陽性細胞が各々38.5%、69.2%を示し、一方、対照群は0%のままです。


   ワクチンが本当に有効であるには、免疫系防御能力に加えて、将来の攻撃に対して

  長く持続的な応答を作ることが鍵となります。この目的のために、体はメモリーT細胞の

  基本レベルを維持できる必要があります。このようなリンパ球は、最初の病原体の攻撃

  後に、戦闘に熟練した兵士でありつづけ、何年もの間、体を循環しており、新たな敵の

  侵略に対応するため準備しています。

   ワクチン被験者の48週目の血液検査は、この治験期間で免疫応答を維持している85%

  の患者のCD4陽性細胞およびCD8陽性細胞の50%が、メモリーT細胞であることを示して

  います。

   エステバン氏の意見では、「MVA-B免疫プロファイルでは、当初、期待がもてるHIV

  ワクチンである必要条件に適合する」と述べています。MVA-Bは、いったん細胞が感染

  したとすれば、体からウイルスを除去する不可能です。ウイルスの遺伝データが細胞に

  取り込まれ、複製されます。しかし、ワクチンにより誘導された免疫応答はウイルス

  を制御できます。ウイルスが、体の中に入り、細胞内で増殖しようとすれば、免疫系

  はウイルスを不活性化し、感染細胞を死滅させようとします。

   CSICの研究者によると、遺伝カクテルが将来第II相や第III相の治験を通過し、実用

  化されるようになれば、「将来HIVは、今日のヘルペスウイルスにようになる可能性が

  あります」。ウイルスが疾患をもはや引き起こさず、たいしたことのない慢性感染症と

  なり、はるかに危険性が低い感染症として、低い防衛シナリオで効果を示すことになる

  でしょう。

  
NO.2
 タイトル:
 【 健常HIV非感染者におけるHIVサブタイプB(MVA-B)のEnv、Gag、Polおよび
 
  Nefタンパク質を発現する遺伝子改変ポックスベクターのHIV/AIDSワクチン候補の

  安全性と免疫原性:第I相臨床試験(RISVAC02) 】

 (Safety and immunogenicity of a modified pox vector-based HIV/AIDS vaccine
  candidate expressing Env, Gag, Pol and Nef proteins of HIV-1 subtype B (MVA-B)
   in healthy HIV-1-uninfected volunteers: A phase I clinical trial (RISVAC02).)

 著者:García F, Bernaldo de Quirós JC, Gómez CE, Perdiguero B, Nájera JL,
    Jiménez V, García-Arriaza J, Guardo AC, Pérez I, Díaz-Brito V, Conde MS,
    González N, Alvarez A, Alcamí J, Jiménez JL, Pich J, Arnaiz JA, Maleno MJ,
    León A, Muñoz-Fernández MA, Liljeström P, Weber J, Pantaleo G, Gatell JM,
    Plana M, Esteban M.

 出典:『 Vaccine. 2011 Sep 9. [Epub ahead of print] 』

  背景:HIV-1クレードBを発現している遺伝子改変したワクチンウイルスベクターの
       安全性と免疫原性を調べるために、第I相臨床試験、二重盲険試験が施行された。

  方法:HIV-1感染する危険性が低いHIV非感染者被験者30名をMVA-B群(n=24)あるいは
       プラスボ群(n=6) 無作為に割り付け、筋肉注射(1×10(8)pfu)を実施した。
    全被験者は40週間追跡を行った。主要評価項目は、副作用と免疫原性であった。

  結果:全169例の有害事象が報告された。グレード1-2は162例、グレード3は5例(ワク
       チン接種とは無関係。被験者の75%が、どの期間においてもECLISPOT陽性を示した。
       惹起されたすべての反応程度(中央値)は、18週で288FC(6)PBMCであった。
       Envに対する抗体反応は、ワクチン接種者の18週で95%、48週で72%それぞれ観察
       された。
       HIV-1被験者の33%でHIV-1中和抗体が検出された。

  結語:MVA-Bは安全かつ忍容性があり、被験者の75~90%で強く持続的なT細胞および抗体
       反応を誘発した。
       このようなデータは、HIV-1ワクチンの候補としてMVA-Bのさらなる調査を裏付ける
       ものである。

 

NO.3
  タイトル:
  【 ヒトの単一免疫原として投与されたHIV/AIDSワクチン候補であるMVA-Bは、HIVに

    対する頑強で、多機能的、選択的なエフェクターメモリーT細胞反応を誘発する。】

  ( The HIV/AIDS vaccine candidate MVA-B administered as a single immunogen
   in humans triggers robust, polyfunctional and selective effector memory
   T cell responses to HIV-1 antigens. )

 著者:Gómez CE, Nájera JL, Perdiguero B, García-Arriaza J, Sorzano CO, Jiménez V,
    González-Sanz R, Jiménez JL, Muñoz-Fernández MA, López Bernaldo de Quirós JC,
    Guardo AC, García F, Gatell JM, Plana M, Esteban M.

 出典:『 J Virol. 2011 Aug 24. [Epub ahead of print] 』

 要旨:HIV-1を発現している弱毒化したポックスウイルスは有望なHIV/AIDSワクチン候補
    と考えられている。単量体gp120 およびクレードBのGag-Pol-Nef(GPN)融合タンパク
    質を3種類の濃度で筋肉注射した後、スペインの第I相臨床治験に参加した健常
    被験者では、T細胞の自然免疫応答が誘発された。
    接種した被験者の大多数(92.3%)は、IFN-γICSアッセイによる検出でワクチン
    接種後、どの期間でも特異的T細胞陽性がみられた。CD4陽性T細胞応答は、大部分が
    Env向けであったのに対し、CD8陽性T細胞応答は、Env、GagおよびGPNに対して等しく
    配分されていた。
    MVA-Bの2種類の濃度後の応答の割合は、MVA-B第3番目の濃度に得られたものと同様
    であり、応答は維持されていた。(48週で84.6%)1年後HIV-1抗原に対して、ワク
    チン誘導CD8陽性T細胞は多機能を有し、エフェクターメモリー(TEM)のままであり、
    エフェクターメモリーT細胞(TEMRA)集団へと最終的に分化した。
    抗ベクターT細胞応答は、CD8陽性細胞によって誘導されており、高度に多機能かつ
    TEMRA表現系である。
    これらの知見は、単独で供与されたポックスウイルスMVA-Bワクチン候補が、TEMの
    状態でHIV-1抗原に対する免疫原性が高く、幅広い、持続的なCD4 およびCD8細胞応答
    であることを示している。それゆえに、ヒトの免疫プロファイルを基にして、この
    免疫原が有望なHIV/AIDSワクチン候補であると考えることは可能である。

 ※コメント:
    HIV-1に対するワクチン(MVA-B)が第I相臨床試験を通過しました。
    ワクチン(MVA-B)は、90%の被験者に対して有効であり、ウイルスに対する応答を
    一年以上持続していました。
    ワクチン(MVA-B)は、欧州で流行しているHIV-1のサブタイプBを標的にしています。
   (日本における血液製剤を介した薬害HIV感染者は、HIV-1サブタイプBです。)
    また、同一グループの別の論文で第I相臨床試験において、このワクチンが安全かつ
    忍容認性があることが示しております。
   「残念ながら、HIV-1ワクチンであるMVA-BがHIVを感染した細胞を除去することはでき
    ませんが、ワクチンにより活性化された免疫応答はウイルスを制御でき、ウイルス
    感染細胞を死滅へとおいやることは期待できます。
    これから、第II相臨床試験、第III相臨床試験を通過し、製品化するときにはHIV
    ウイルスがもはや重篤な疾患を引き起こさず、ヘルペスウイルスのようにそれほど
    深刻ではないものとなるかもしれません」。と主任研究者のエステバン氏は述べて
    います。
    これからの臨床試験の結果に期待したいところです。
                                      (E.M)

 


  

<<  ◇はばたき血友病情報(研究・開発) 「 ・・・◇はばたき血友病情報(研究・開発) 「組・・・  >>