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2010年の医療 医薬品の行政を振り返り(2011/01/06)

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  • 2011.1. 6

HIV/AIDS、HIV薬

抗HIV薬は幸いなことに、ウイルスを攻撃するのに多様な薬が揃って、ウイルスコントロールにおいては、安定性を感じられるようになった。しかし、生命予後が良くなり、普通の生活が可能になってきた半面、薬の長期服用の安全性等々副作用も大きな課題となりつつある。
その面での本格的な研究と対処が遅れている。
dドラッグの副作用がリポアトロフィーなど脂肪代謝異常などで大きな話題とはなっているが、数年前からddIについて、重篤な門脈亢進症による肝不全を起こすことが公表されている。
薬害HIV感染被害者もこの症状で肝移植待ちの人がいる。また、疑いだが死亡原因ではと言われる人もいる。
抗HIV薬の50%近くは東京で処方されているそうで、大都市圏中心の情報提供が多く、地方での小規模病院で継続医的にdドラッグなど処方されているケースも少なくない。
HIV治療はまだ日進月歩、転換スピードの速い治療や対応が求められる途上の疾患で、安定的な領域にはまだ入っていない感もする。
HIV本来の日和見感染症合併による悪性腫瘍の人も増え、いきなりエイズ発症が多いのは、日本のエイズ対策・対応の遅れの象徴かもしれない。
生涯治療の必要な感染症として、手の抜けない疾患なのに、日本のエイズ施策は後退するだけだ。
特に、対策財政は、80年後半から90年代前半の半分になっている。信じられない医療後進国だ。

 

患者不在の薬事法

・ネット販売について
7月の参院選挙に期して、ネット販売規制の見直しを求める声が大きくなる
NPO法人日本オンラインドラッグ協会は、7月11日の参院選開票前に候補者に対する医薬品インターネット販売規制に関する公開質問状の回答結果を公表。194人の候補者の  うち39人からの回答を得、4人のうち3人が「改正薬事法を見直すべき」と答えた。
見直すべきが、72%。見直しを含めて議論が必要が、15%。見直し不要が、13%。
見直しの中には「改正前以上に規制強化すべき」との声も少なくない。

*ネット社会において、患者の療養生活などQOL向上に即した安全性と利便性の可能性を追求できる議論があるべきだ。また、日本の伝統ある和漢薬などの切り捨てにつながる施策であってはならない。将来に向けてどのような可能性があるのかも見直しの中で検討されるべき。

「薬局に来なければ何もやらんぞ」という上から目線の専門家の見方に、患者は平伏しなけらばならない時代なのか。


   
薬害肝炎最終提言に沿った施策など

井の中の蛙状態日本。
ドラッグ・ラグ対応は進んでいるのだろうか。いろいろな専門家の枠組み委員会がつくられているが、そこに患者は参加しているのだろうか。海外では既に承認されていて日本で入手できない治療薬(国内未承認薬)、命を守りたいが手が届かないもどかしさ、日本に住んでいて不幸と感じる大きな問題だ。国内にいては世界に目を向けてグローバル化などと言っているが、患者の命を握っているのは誰なのかというくらい柔軟性のない規制と緩慢な作業に壁壁される。
規制当局は助ける篤さはないし、責任感もない。積極的に助けなければ処罰されるくらいの法律を考えたい。
また、対象外治療で保険適用されないため、医療機関で使いたくても使えない。この壁でなく患者は日本では数多い。
HIVでも血友病でもHCVでもこれに関わる治療で泣いた人たちをたくさん知っている。
何とか使えるようにといろいろ手を尽くす医師もいれば、責任を取りたくないからと鼻から断る医師も。天国と地獄の堺はこんなところで引かれるなんて不条理だ。安上がり、火中のクリを拾わない、あきらめ、etc。これらの源は、ダイナミックな医療の実現を国民に提供しない行政の問題が大きいし、行政を金縛りにしている法律家の柔軟性のない思考の結果なのではと思う。
薬事行政、本当に患者の思いを実現できる体制を再構築すべきだ。
ダイナミックに患者に薬を提供するに当たり、企業側の自律性は確保されているだろうか。企業それぞれの評価機関で、患者の姿はあるのだろうか。患者中心の医療と題目は唱えられているが、患者は未だに飾り物的存在だ。

最終提言の安全策では、ドクターレターの軽量化とともに、患者への副作用情報の伝達方法は大丈夫なのか。2011年度の予算概算要求で、患者会との協議会を開催する事業費を盛り込んだとされていたが、どうも予算は付かなかった様子だ。
医薬品第三者監視組織は、2011年半ばに大臣直轄の組織として厚生労働省に設置し、事務局は大臣官房厚生科学課に置かれ、専任職員が3人配置される。
当初の概算予算要求では運営費として1400万円と聞いていたが、結局800万円となった。

 

「患者視点」を政策に反映

昨年7月末の人事異動で健康局の外山千也局長は専門誌の取材でそう発言している。
「厚生労働省部局の中でも患者さんの立場を第一義的に考えて行政を行うということに視点を置いているのは健康局」
と述べ、政策において患者の視点を重視する姿勢を示した。(平成22年8月23日付「日刊薬業」から)

 

「薬害再発防止に全力注ぐ ラグ解消にも意欲」

同じく人事異動で医薬食品局長に就任した間杉純局長は入省後、医薬食品局の前身の厚生省薬務局(当時)に2度配置され、今回が3度目。「1度目はスモン訴訟、2度目はエイズ訴訟の和解問題だった。医薬行政に対する原点は、薬害事件であり、二度と薬害を起こさないのが私自身のすべての原点だ」とし、薬害再発防止に全力を注ぐ姿勢を示した。(平成22年8月23日付「日刊薬業」から)
一般薬販売は対面販売を原則とする考えは変えない方針。新販売制度の経過措置が来年5月末に切れることについて、実態をよく吟味して検討しなければならないとしている。
*原則だが、慢性疾患など疾病についての柔軟性は必要だ。11月10日に示された政府の規制・制度改革に関するライフイノベーションワーキンググループ(WG)の検討候補52項目の中に「一般医薬品のインターネット等の販売規制の緩和」「国民の利便性を高めるための医薬品販売規制の見直し(薬剤師・登録販売者の常駐義務、対面販売の解釈の見直し)」が挙げてある。
また、「研究開発の活性化に向けた制度の見直し」「承認迅速化に向けての制度の見直し」などもある。
業界や一部専門家集団の権益となるのは時代逆行だ。

 

エイズ予防指針はエイズWGで行うことが決められた

厚生労働省の厚生科学審議会・感染症分科会感染症部会エイズ・性感染症ワーキンググループ(木村 哲委員長:東京逓信病院長)は12月24日、5年ごとに再検討を行うことになっている「エイズに関する特定感染症予防指針(エイズ指針)」は、エイズ予防指針作業班を設置して検討し、エイズWGに報告することとなった。

 

エイズWGは2011年1月をめどに議論を開始する予定。

*治療途上過程のHIV/AIDSについては、一般的性感染症対策では埋まらない数多くの課題が山積している。治癒がなく、抗HIV薬の副作用や合併症についても未だ未知の領域にある。
また薬害HIV感染被害裁判救済をもとに医療体制が整えられており、単独の対策が必要で、土台を一致させることは無理がある。

 

血液事業では、献血の長期的展望を踏まえた「献血推進調査会」、また国内自給を基本とする血漿分画製剤の供給・価格格差をテーマとした「血漿分画製剤の供給の在り方に関する検討会」を設置

子高齢化社会に突入している日本で、世界に誇る献血と国内自給体制を維持していくため、献血推進の5カ年計画やさらに将来の予測を立てる「献血推進調査会」が血液事業部会に設置された。
日赤によると2020年には30万人分、2027年には101万人分の血液が不足するとの推計。
この需給ギャップを埋めるには献血率を現行の5.9%から7.2%に引き上げる必要があるとしている。20代の深刻な献血離れを食い止めたり、高校生献血の理解を深めていく対策が急務でもある。
人事から、身近な問題との認知をどうしていくか、今後の対策と具体化が課題となるだろう。
また、献血血液は日赤の独占的事業で、血漿分画用は民間企業に払い下げられているが、日赤でつくる製剤と、同じ献血で作られる民間企業製造製剤で、日赤の方が高いという謎の価格差がある。また、薬害HIV裁判の課題解消のため日赤で作っている血友病治療の血液凝固第8因子製剤の製造販売について日赤体質のためか積極的販売策や患者のための改良策があまりに遅いため販売シェアが極端に低下している点など、献血由来の血漿分画製剤にまつわる将来の危機感を反映した検討会が設置された。
実質的な討議とスムーズな具現化が必須だ。日赤と国内メーカーの協働作業が必要だ。

 

医薬品局の「FDA構想」はどこに

自民党では医薬品局のFDA様構想は残されているようだ。薬害C型肝炎に関わる最終提言では実現化について書き込めなかった。PMDAとの責任二重回避構造など、国民の目くらまし対策などやめて、しっかり責任を受け止められるものをつくり、医薬品食品の安全対策を揺らがないものとして進めるべきと改めて訴えたい。
  
上記は「日刊薬業」記事を参考にさせていただいた。

 

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