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◇はばたき血友病情報(治療) 「日本の薬害HIV感染被害者におけるHIV/HCV重複感染血友病患者「生体肝移植」症例から」

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  • 2011.8. 2

 

『HIVおよびHCV重複感染血友病者の生体肝移植:単一施設の症例』
{Living donor liver transplantations in HIV- and hepatitis C virus-coinfected
 hemophiliacs: experience in a single center.}

著者名:Tsukada K, Sugawara Y, Kaneko J, Tamura S, Tachikawa N, Morisawa Y,
Okugawa S, Kikuchi Y, Oka S, Kimura S, Yatomi Y, Makuuchi M, Kokudo N, Koike K.
SourceDepartment of Infectious Diseases, Graduate School of Medicine,
 University of Tokyo, Bunkyo-Ku, Tokyo, Japan.

出典名:「Transplantation. 2011 Jun 15;91(11):1261-4.」


【要旨】
背景:日本人HIV感染全血友病者がC型肝炎ウイルス(HCV)を罹患しているが、生存率周術期
     合併症および凝固活性の回復に関してそのような患者での生体肝移植(LDLT)の転帰は
    よく知られていない。
患者と方法:HIV感染血友病患者6名がHCVに伴う進行した肝硬変のためにLDLTをした。
     移植時のCD4細胞数は376+/-227 μ/lであった。1年、3年、および5年生存率は各66%、
     66%および50%であった。血友病に関連した重篤な出血はみられなかった。
      患者2名は、移植後6カ月以内に生着不全で死亡した。HIV感染は6カ月超生存した全患者
    で良く制御されていた。
     患者2名(遺伝子タイプ2a と2+3a)は正常化ウイルス応答となり、両者とも経過観察時
    に生存した。だが、患者1名(遺伝子型(1a+1b)はHCVの再発により移植4年後に非代償性肝
    硬変で死亡した。
結論:HIVおよびHCV重複感染血友病患者はLDLTを安全に施術することが可能である。血友病は
    移植の成功後、臨床的に治癒した。手術後のインターフェロン・リバビリン併用療法でコ
     ントールされている限り、良好な転帰を予想することが可能である。

※上記研究報告については、実際に生体肝移植手術を受け生存している薬害HIV感染被害者が
 報告書を見つけ、翻訳し、提供してくれたものです。
 実際に、上記の生体肝移植症例により、生体肝移植の保険適用や被害者救済のための特別な
 対応がとられるようになった。被害者はHIV/HCV重複感染により肝疾患の悪化が早く、肝硬変
 ・肝癌でなくなるケースが多く、この報告や、他施設でも行なわれた症例を集約して、早急に
 生体肝移植も大切な命を生かす選択枝としとして被害患者や主治医に伝わるようにして欲しい
 と要望してきた。

 ようやく、2年前から長崎大学の移植外科が被害者の思いを取り組み、ガイドライン作りなどの                               研究班ができ、着実にデータや移植施設のネットワークや移植適応の基準などを準備している。
 脳死提供の肝移植への登録を始めた被害者も5人ほどいる。施設を超えた被害者救済の医療を
 積極的に推し進めていることに、ぜひ協力して欲しい。

 

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