• 北海道のHIV・エイズ情報 HAND社団福祉法人はばたき福祉事業団 北海道支部北海道のHIV・エイズ情報 HAND
  •  
  • hamataki 賛助会員募集! 1口1,000円(学生)から賛助会員を募集しております。
  • 就労支援!!HIV感染者の就労環境向上のために!
  • 世界肝炎連盟
  • はばたきWEB調査ポータルサイト

◇はばたき血友病情報[2016年 近頃の新たな血友病治療・及び治療法から]

HOME > はばたきインフォメーションスクエア > 血友病情報 > 医療情報

  • 2016.8. 5
「近頃の新たな血友病治療・及び治療薬から」
 
 
◎かねてから新たな血友病Aの治療法として注目されてきた、バイス
 
ペシフィック抗体emicizumab(ACE910)の国内第Ⅰ/Ⅱ相臨床試験最新の
 
データがWFH2016で発表された。
 
 
 中外製薬の血友病A治療薬、出血抑制を確認
 
 国内P1/P2試験の最新データ
 
 中外製薬は7月28日、血友病A治療薬として進めているエミシズマブ
 
(開発コード=ACE910)について、現在も継続している国内臨床第1/2
 
相(P1/P2)試験の最新データが、米国オーランドで開催されている世
 
界血友病連盟世界大会で報告されたと発表した。P1試験終了後の継続
 
投与試験の結果で、血液凝固第Ⅷ因子のインヒビター(抗体)の保有
 
にかかわらず、週1回の皮下投与で出血抑制効果を継続的に認めたと
 
いう。
 
 血液凝固第Ⅷ因子の抗体がある患者11人を含む日本人18人の血友病
 
A患者のデータを解析した。
 
 有効性では、初回投与量を1mg/kg、2回目以降の投与量を0.3mg/kg
 
とした群(インヒビター有4人、同無2人)では、年間出血率1.4回、年間関
 
節内出血率は1.1回だったが、初回投与量を3mg/kg、2期目以降の投与
 
量を1mg/kgとした群(インヒビター有4人、同無2人)では、年間出血率と年
 
間関節内出血率はともに0.2回に低下した。さらに投与量を(2回目以
 
降も)3mg/kgとした群(インヒビター有3人、同無3人)では、年間出血率と
 
年間関節内出血率がいずれも0回だった。
 
 同剤は、米食品医薬品局(FDA)からブレークスルーセラピー(画期
 
的治療薬 BT)に指定をうけており、ロシュ社と共同で日、米、独、
 
英、オーストラリア、韓国などで抗体保有患者を対象とする国際共同
 
P3試験が進行中。抗体非保有患者や小児血友病A患者を対象にした国
 
際共同P3試験もそれぞれ開始される見通し。日本での申請は2017年を
 
予定している。
 
(平成28年7月29日付 「日刊薬業」より)
 
試験成績による安全性、有効性については
 
安全性
・ 18例全例に有害事象が認められましたが、2件の重度の有害事象
 (虫垂炎、腸間膜血腫)を除き、いずれも軽度・中等度の事象でした
・ 臨床上問題となる過凝固を示唆する臨床検査値の異常や臨床所見
 は認められませんでした
・ 18例中7例において注射部位反応が見られましたが、いずれもコント
 ロール可能でした
・ 抗emicizumab中和抗体の発現は認められませんでした
 
有効性
・ 年間出血率(Annualized Bleeding Rate:ABR)は低値に維持され、
 18例中8例は出血が抑制されました
・ 出血時には、第VIII因子製剤またはバイパス製剤を用いた標準的な
 止血療法により適切に治療されました
・ 各コホートにおけるemicizumab投与前後の年間出血頻度および年間
 関節内出血率は上記に掲載されているとおりである。
 
もプレスリリースで明らかにしてある。
 
 
 
◎日本でも研究がすすめられている血友病Bの遺伝子治療、WFH2016
 
 でも海外での開発・臨床試験など大きな注目の課題であった
 
最近発表されたものでは、
 
 
1.米国スパーク・セラピューティクス社と米ファイザーが血友病B治
 
療薬として共同研究開発を進めているSPK9001(開発番号)が、米国食品
 
医薬局(FDA)からブレークスルー・セラピー(画期的治療薬)指定を取
 
得したとの発表があった。2016年7月28日。
 
SPK9001はスパーク社が持つ遺伝子治療製品で、生物工学を駆使して新た
 
に作成した新しいアデノ随伴ウイルス(AAV)キャプシドを用いた遺伝子
 
治療製品であり、コドンを最適化した高活性ヒト血液凝固第Ⅸ因子変異
 
体を発現します。SPK9001は、1回の投与により血友病治癒の可能性のあ
 
る治療法として、現在米国で臨床第1/2相試験を行っており、ファイザー
 
は規制関連業務や商品化、事業化などを担当する。
 
 
もともとスパーク社は遺伝子治療の製剤化を行う独自の技術プラットホ
 
ームを有しているそうです。こうした技術力など創立時の研究チームが
 
ほぼ30年にわたって蓄積してきた血友病遺伝子治療研究および臨床開発
 
の成果などがSPK9001の臨床試験へつながっていると考えます。
 
なお、血友病Aを対象とした遺伝子治療の前臨床候補SPK8011というアセ
 
ットがあるようです。
 
 
 日本での開発の予定についてファイザー日本法人は「現在検討中」と
 
している。
 
(2016年7月28日 ファイザー社プレスリリース、平成28年7月29日付「
 
日刊薬業」、同日付「日経バイオテク」を参照)
 
 
2.オランダの企業「uniQure」が血友病B患者へのコドン最適化FⅨ
 
 遺伝子運搬治療の効果が持続している/Ph2試験
 
 2016年7月27日、オランダのuniQure社は、重度血友病B患者へのLP1
 
肝臓プロモーター付きコドン最適化第Ⅸ因子(FⅨ)遺伝子運搬アデノ
 
ウイルス製品AMT-060の進行中の第1/2相試験で第Ⅸ因子(FⅨ)活性が
 
持続していると発表しました。
 
 ・低用量投与群の5人全員の病状が持続的に改善しており、今のと
 
 ころ治療後39週までのFⅨ遺伝子活動の持続が認められています。
 
  また5人中4人は予防的なFⅨ注入が不要な状態を維持しており、
 
 FⅨ年間投与量が82%低下しています。
 
(2016年7月31日 「Bio Today」より) 
 
 
 uniQure社は、(中枢神経系、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化
 
症、アルツハイマー病など)遺伝子治療用ベクター製剤の開発と生産、
 
ベクター製剤を医用医薬品として販売するほか、国内外に遺伝子治療
 
センターを展開して難病等に対する遺伝子治療を自ら実施していくこ
 
とを計画しているとされている。血友病の遺伝子治療にも力を入れて
 
いるという。
 
 医薬品メーカーでは、将来の遺伝子治療に向けて競争が激化いして
 
いる様相にある。
 
 
3.2016年7月27日、米国のBioMarin Pharmaceutical社は、血友病
 
Aの遺伝子治療BMN270の初期第1/2相試験で臨床的に有意な持
 
続的なアラニン・ミノトランスフェラーゼ(ALT)上昇は認められず、
 
高容量投与患者7人中6人は50%超の第Ⅷ因子レベルを示したと発表
 
しました。
 
 
商業生産プロセスで作ったBMN270による後期第2相試験が来年中旬
 
に始まる予定です。
 
 
BMN270は血友病Aの凝固に不可欠な第Ⅷ因子血漿濃度を回復させる
 
AVV-factorⅧベクターです。
 
(2016年7月29日 「Bio Today」より)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

<<  第6回はばたきミニコンサート 開催のお知・・・新規のHIV感染者をこれ以上増やさないよ・・・  >>