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◇はばたき血友病情報(医療情報)「血友病患者の高血圧有病率増加について。心臓疾患・脳出血・脳梗塞など高齢化対策必要」

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  • 2012.10.30

   
     タイトル:血友病患者における高血圧の有病率の増加

     Increased prevalence of hypertension in haemophilia patients.

 出典名:Thromb Haemost. 2012 Sep 27;108(4):750-5. Epub 2012 Sep 5.

 著 者:van de Putte DE, Fischer K, Makris M, Tait RC, Collins PW,
     Meijer K, Roosendaal G, Chowdary P, Schutgens RE,
     Mauser-Bunschoten EP.


 要 旨

  血友病患者における高血圧の有病率の増加が報告されているが、大規模か

 つ無作為のデータはない。本研究の目的は、701名の血友病患者の大規模な

 コホートの高血圧の有病率を横断的に評価することである。

  30歳以上のドイツ血友病患者386名および315名の英国血友病患者で、血圧

 測定をおこない、年齢が同等の健常男性と比較して解析をした。可能であれ

 ば、最大で3回の血圧測定の中央値が用いられた。血圧が140/90 mmHg超か、

 あるいは降圧剤の服用で高血圧と定義した。

  全患者の49%は重症血友病患者であり、中央値は49.8歳であった。高血圧

 の有病性は健常男性(40%, 95% CI (信頼区間)37-43)より、血友病患者(49%,

 95%CI 45-53)のほうが有意に高かった。高血圧の有病性は、非重症血友病患

 者より重症血友病患者のほうが有意に高かった。

  血友病のタイプやドイツおよび英国の患者でも同様であった。複数の血圧

 測定が、患者の70%で可能であった。高血圧の有病率は、複数の血圧測定と

 完全なコホートで類似していた。

  高血圧は、腎機能、腎出血の既往歴、C型肝炎あるいはHIV感染とは有意に

 関連性はみられなかった。しかしながら、過体重、肥満や加齢とは関連性が

 みられた。結論として、血友病患者の高血圧の有病率は健常男性よりも高い。

 有病率の増加の原因は分からない。

  血圧測定を30歳以上の血友病患者の標準的な医療のうちのひとつとしてし

 なくてはいけない。

 
 ※コメント
  血友病患者の高齢化に伴い、生活習慣病のひとつである高血圧も問題とな

 りつつあります。

  高血圧は動脈硬化の原因となり脳卒中、虚血性心疾患、心肥大、心不全、

 動脈瘤、閉塞性動脈硬化症、高血圧性網膜症につながることになります。

  高齢化した血友病患者に高血圧が健常人と比較すると高いことについては、

 今までにもいくつか論文報告があります。

  今回、ご紹介する論文では、重症血友病患者の高血圧が他の軽症および中

 等度の血友病患者より有意に差がみられることを示しています。高血圧と血

 友病患者の腎機能、腎出血の既往歴、C型肝炎あるいはHIV感染の関連性につ

 いては、有意性はなかったとしています。

  しかし、過体重、肥満や加齢などがリスク要因として挙げられています。

 結論としては、原因が分からないながらも血友病患者には高血圧の傾向がみ

 られるため、血圧測定を30歳以上の血友病患者には推奨しています。

追伸  血友病患者の肥満傾向・関節障害等から運動不足で糖尿病や高血圧症

 増加も。

 

 

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