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◇はばたき血友病情報(研究開発) [血友病A治療に新たな治療製剤開発、バイスペシフィック抗体を用いて週1回・皮下注射]

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  • 2012.10.21

[血友病A新治療手段「バイスペシフィック抗体」なる治療製剤の創薬へ すでにP1治験]


  【中外製薬  バイスペシフィック抗体、血友病Aで国内P1開始 週1回の皮下注射】

  中外製薬は10月1日、自社で創製した血液凝固第Ⅷ因子機能の代替作用を持つ

 「バイスペシフィック抗体」について、血友病Aモデル動物で有効に止血作用

 が示されたと発表した。

  この非臨床試験の結果は、奈良県立医大と共同で「Nature Medicine」(電子

 版)に掲載した。

  同社は、血友病Aに対する新たな治療手段の提供につながるとして、抗体を

 改良した「ACE910」(開発コード)について8月から国内臨床第1相試験を始めた。


  血友病Aは第Ⅷ因子が欠乏して血液凝固反応が正常に進まなくなる遺伝性疾患。

 第Ⅷ因子は、活性型第Ⅺ因子と第Ⅹ因子に同時に結合し、活性型第Ⅺ因子による

 第Ⅹ因子の活性化を通じて血液凝固反応を促進する。


  発表によると、「バイスペフィック抗体」は、Y字型の先端部にある2つの抗

 原結合部位で、それぞれ異なる抗原と結合できる。同社が創製した抗体は活性

 型第Ⅺ因子・第Ⅹ因子と同時に結合し、第Ⅷ因子と同様の働きを持つ。第Ⅷ因子

 がないケースや、第Ⅷ因子に対する中和抗体(インヒビター)があるケースでも、

 血液凝固反応を促進し、動物モデルで止血作用を示すことなどが明らかになっ

 たという。
                 (平成24年10月3日付  「日刊薬業」より)


  さらに高い持続性と皮下投与の可能性を有することが明らかになり、インヒ

 ビターの有無にかかわらず週1回の頻度の皮下投与で出血予防効果を示すこと

 が期待されるという。

  これまでの技術では、、「バイスペフィック抗体」は分子構造が複雑である

 ことから、医薬品としての製造が困難で、遺伝子組換え「バイスペフィック抗

 体」は上市されていなかった。中外製薬は医薬品に応用できる独自技術を確立、

 第Ⅷ因子の機能を代替するものとして生まれた。

  本年8月からの国内臨床第1相試験は、国内において健康成人および血友病

 A患者(インヒビター保有者および非保有者)を対象に行われているという。

             (平成24年10月1日の中外製薬株式会社 発表から)
     
                             (http://dx.doi.org/10.1038/nm.2942)

 

 ※とても関心を引く内容で、これまでの血液凝固第Ⅷ因子製剤の行き詰まり感

 打開するものと考えた。凝固因子製剤で第Ⅷ因子の精製・ピュア化が進み、遺

 伝子組換え製剤の供給まで来たが、他の凝固因子の役割や関与が止血効果等を

 考慮することが示唆もされていた。また持続性の長い製剤の開発、インヒビタ

 ー発生の懸念のない製剤開発などが求められ、治癒も目指した遺伝子治療の研

 究開発も将来図として強い希望でもあった。治癒を目指した過程で、思わぬヒ

 ットがとびっくりした。まして、これまでの血友病製剤を手掛けたことのない

 メーカー出現は喝采でもある。この抗体でのインヒビター出現はないのかどう

 かなど今後の安定性についてさらに関心を持って情報を求めていきたい。

 

 

 

 


 

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