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『HCV治療の変革期が...。INFを含まない経口治療薬の研究が進み、やっと日本もHCV治療が変化する。患者の期待は大きい』

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  • 2013.5.22


  【 C 型肝炎に対する経口併用抗ウイルス療法の予備的研究 】

 出典:「N Engl J Med. 2013 Jan 3;368(1):45-53.
                     doi: 10.1056/NEJMoa1208809.」
    Exploratory study of oral combination antiviral therapy
                             for hepatitis C.
 著者: Poordad F, Lawitz E, Kowdley KV, Cohen DE, Podsadecki T,
    Siggelkow S, Heckaman M, Larsen L, Menon R, Koev G, Tripathi R,
     Pilot-Matias T, Bernstein B.

 *要旨翻訳は南江堂で翻訳された文章を引用しています。

 背景:C 型肝炎ウイルス(HCV)感染に対して,インターフェロンを用いない治療

  レジメンが必要とされている。この研究の目的は,HCV 感染の治療として,非ヌ

  クレオシド系 NS5B ポリメラーゼ阻害薬 ABT-333 とリバビリンに,強力な HCV

   NS3 プロテアーゼ阻害薬 ABT-450 を低用量リトナビルとともに併用する治療

  (ABT-450/r)を評価することである。

 方法:肝硬変のない HCV 遺伝子型 1 型感染患者を対象に,12 週間の第 2a 相非

  盲検研究を行った。

   全患者に ABT-333(400 mg 1 日 2 回),リバビリン(1,000~1,200 mg/日)

  と,ABT-450/r を 2 種類の 1 日量のいずれかで投与した。第 1 群と第 2 群は,

  未治療患者であった。第 1 群には ABT-450 250 mg とリトナビル 100 mg を投

  与し,第 2 群にはそれぞれ 150 mg,100 mg を投与した。過去のペグインター

  フェロンとリバビリンによる治療では効果がなかったか,部分的であった患者か

  ら成る第 3 群には,ABT-450 を 1 日 150 mg とリトナビル 100 mg を投与した。

  主要エンドポイントは,4 週目から 12 週目まで HCV RNA が検出されないこと

  (早期ウイルス陰性化の持続 [extended rapid virologic response:eRVR])と

  した。


 結果:第 1 群の 19 例中 17 例(89%)と第 2 群の 14 例中 11 例(79%)で

  eRVR が認められた。治療終了後 12 週の時点でウイルス排除(sustained

  virologic response:SVR)を達成していた患者は,それぞれ 95%,93%であっ

  た。

    第 3 群では,eRVR は 17 例中 10 例(59%)に認められ,治療後 12 週の

  時点で SVR が認められたのは 8 例(47%)であった。この群では 6 例がウイル

  ス再燃(virologic breakthrough)をきたし,3 例で再発した。

    有害事象は,肝機能検査値異常,倦怠感,悪心,頭痛,めまい,不眠,痒,

  発疹,嘔吐などがみられた。*eRVR Extended Rapid Virologic Responsse 

  HCVRNAが4週目から12週まで検出限界以下になること。

 
 結論:今回の予備的研究から,HCV 遺伝子型 1 型感染には,プロテアーゼ阻害薬,

  非ヌクレオシド系ポリメラーゼ阻害薬,およびリバビリンを併用した 12 週間

  の治療が有効である可能性が示唆される。

   (Abbott 社から研究助成を受けた。ClinicalTrials.gov 番号:NCT01306617)

 

 コメント:(本論文のintroductionやdiscussionの骨子と参考情報を加えています。)
   
  C型肝炎は、肝硬変、肝がん、肝臓移植の一番の原因となっています。C型肝炎に

  対する現在の治療法は、ペグ・インターフェロン+リバビリンとテラプレビルあ

  るいはボセプレビルとの併用療法があります。近年、ペグ・インターフェロンを

  含めない治療法が開発されていて研究報告がいくつかでており、抗HCV治療の新た

  な治療法として注目を浴びています。インターフェロンは大きな有害事象をもた

  らすため、C型肝炎感染患者の多くが、医学的および精神的な状態、インターフェ

  ロンに伴う有害事象により治療ができていません。また、インターフェロン治療

  に失敗した患者では治療が限られているというのが実状です。

   本研究では、C型肝炎未治療のHCV genotype1の患者を対象としてペグ・インタ

  ーフェロン+リバビリンによる治療で全く効果がみられないか、部分的にしかみ

  られていない患者に対してBT-450+リトナビル+リバビリンあるいは、ABT333と

  +リバビリンの有効性と安全性について評価もおこない、その有効性を証左して

  います。また、ペグ・インターフェロン+リバビリンの治療を部分治療したか、

  もしくは全く出来なかった患者では、4~12週の早期の持続的ウイルス学的著効

  が(10/17例、59%)であったことと48週の経過観察でも17例のうちの8例が持

  続的ウイルス学的著効であったと報告しています。

   治験をおこなった17例のうち6例がウイルス再燃し、3例は再発しました。再

  度のウイルス治療の失敗にみられた症例の多くでは、ウイルス粒子に含まれな

  い非構造タンパク質であるNS35Bでアミノ酸の置換変異がみられ、薬の効果がな

  くなったためであると記載してあります。したがって、これらの治験の結果を

  踏まえて本治療レジメンは、既存の治療を部分的か、もしくは失敗したHCV

  genotype1は有効性が低いとしています。今後、この治療レジメンをHCVに感染し

  ているほかのウイルスのタイプにも適応を試みること、インターフェロン+リ

  バビリンに失敗した患者に対しての有効性と安全性をさらに評価すること、

  肝硬変になった患者や、HIVとHCVを重複感染している患者に対してもこの治療

  レジメンが応用できる可能性を探ることが課題であるとしています。

  (E.M)


   *ペグ・インターフェロンを含めない口径薬による治療法の研究が進み、

  C型肝炎の治療が代わる日が近づいている。選択のない時代では、INF登場は

  HCV治療のエースとして期待し治療奏効は良くずいぶん多くの人がHCV量が検

  出限界以下に持って行くことができている。しかし、副作用は…。また、HCV

  genotype1の患者は、INF+リバビリンでの奏効も悪く、治療法がなく肝硬変

  に進行する人もいる。

   INF治療は、実際の日常生活に大きな影響を及ぼし、就労などにも影響した

  り副作用に悩むことで治療を遅らせている傾向も少なくないのは現実だ。
   

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