薬害エイズ和解記念集会
日本赤十字社 社長 清家 篤 様
本年、東京・大阪の薬害エイズ訴訟の和解成立から29年を迎えました。改めてこの薬害によって、これまでに亡くなられた方々に謹んで哀悼の意を表しますとともに、今なお苦しんでいらっしゃる方々に心からお見舞いを申し上げます。
薬害エイズは、日本における医療の安全性及び信頼性を根幹から揺るがす大事件であり、大きな社会問題となりました。当時、血漿分画製剤を製造・供給していた日本赤十字社にとっても、「使用される方々の命と尊厳が守られるよう、安全な血液製剤をお届けする」という重大な使命を、改めて認識する契機となりました。現在、より安全な血液製剤をお届けするべく、血小板製剤の細菌スクリーニング検査の導入にかかる製造販売承認を2月12日に受け、供給開始に向けての準備を進めているところでございます。日本赤十字社では、引き続き血液製剤の安全性に最大限の配慮をしつつ、需要の増加している血漿分画製剤用の原料血漿については、国からの計画に基づきしっかりと確保してまいります。
和解成立から29年が経ちましたが、薬害エイズは時と共に風化させてはならない歴史です。日本赤十字社としてもその事をしっかりと心に刻み、一層の努力を重ねてまいります。