薬害エイズ和解記念集会
広島市立広島市民病院 病院長 松川啓義 様、副院長 岡本良一 様
薬害エイズ裁判が和解に至ってから30年という節目の年を迎えるにあたり、亡くなられた多くの被害者の方々に深い哀悼の意を表するとともに、長年にわたり苦難と向き合ってこられたすべての患者・ご家族の皆さまに、心より敬意を表します。
薬害エイズは、本来人の命を救うべき医療が、結果として多くの方々の人生と尊厳を損なった重大な医療被害であり、医療に携わる私たち一人ひとりが決して忘れてはならない出来事です。和解から30年を経た今も、その教訓は色あせることなく、医療の安全性、透明性、そして患者さんの声に真摯に耳を傾ける姿勢の重要性を、私たちに強く問い続けています。
広島市立広島市民病院は、エイズ治療ブロック拠点病院として、広島大学病院高田昇先生、藤井輝久先生のご指導をいただきながら、HIV感染症の診療・看護・相談支援に加え、偏見や差別のない医療の実現、正しい知識の普及、人権に配慮した医療体制の構築に努めてまいりました。
医学・医療は進歩を続けていますが、どれほど時代が変わろうとも、「患者さんの命と尊厳を最優先にする」という医療の原点は不変です。私たちは、薬害エイズの教訓を次世代の医療者に確実に継承し、再び同じ過ちを繰り返さない医療を実践し続ける責務を負っています。
本院は今後も、患者さん一人ひとりに寄り添い、安心して治療を受けていただける医療を提供するとともに、社会全体でHIV/エイズへの理解が深まるよう、地域および関係機関と連携しながら取り組みを進めてまいります。
薬害エイズ裁判和解30周年というこの節目が、過去を悼み、現在を見つめ、そして未来のより良い医療を築くための新たな出発点となることを、心より願っております。









