薬害エイズ和解記念集会
エイズ治療・研究開発センター 臨床研究開発部長 照屋勝治 様
薬害エイズ裁判和解30周年記念集会の開催を、心よりお慶び申し上げます。和解から毎年行われてきたこの記念集会が、30周年という大きな節目を迎えられたことは、被害者の皆様をはじめ、長年にわたり活動を続けてこられたすべての関係者のご尽力の賜物であると深く敬意を表します。
薬害エイズ事件では、1,400人を超える方々が汚染された血液製剤によってHIV感染という深刻な被害を受けられました。そのうち753名の方々はすでに亡くなられています。亡くなられた方々のご冥福を心よりお祈り申し上げるとともに、今もなお闘病されている方々に対し、謹んで哀悼と敬意の意を表します。
このような事件を二度と繰り返さないためには、被害の実態、行政・企業の責任、そして裁判を通じて得られた教訓を、次の世代へと確実に伝え続けることが不可欠だと思います。それは単なる歴史の記録にとどまらず、今後の医療行政と社会のあり方を問い続ける継続的な課題であるべきだと認識しています。
一方で、和解から30年という歳月が経過した今、「この教訓は本当に引き継がれているのか」という問いを、改めて真摯に受け止める必要があるようにも感じています。時の経過とともに、事件の記憶が社会的に薄れていく事が避けられません。この30周年の節目を、継承の現状を客観的に見つめなおし、今後の取り組みのあり方を改めて検討する機会に位置づけたいと考えます。
ACCは今後も、薬害エイズ被害者の方々に対し、最先端の医療を提供し続けること、いかなる状況においてもあきらめない医療を実践すること、そして一人ひとりの被害者に寄り添った医療を届けることを、その使命として取り組んでまいります。加えて、薬害エイズ事件の歴史と教訓を風化させないため、医療従事者を対象とした研修・実習を通じて、薬害の歴史を正しく理解し、患者の権利と安全を守る責任を自覚した医療従事者の育成にも継続して取り組んでゆく所存です。
30年の歩みに深く敬意を表しつつ、被害者の皆様のご健康と、本活動のさらなる前進を心よりお祈り申し上げます。









