薬害エイズ和解記念集会
国立健康危機管理研究機構 理事/東京大学医科学研究所 特任教授 四柳宏 様
非加熱凝固因子製剤によってヒト免疫不全ウイルス(HIV)に感染されたすべての皆様、ご家族の皆様、そして長年にわたり支援に尽力されてきた皆様に、心よりお見舞い申し上げます。
私は、C型肝炎ウイルス(HCV)を含むウイルス肝炎の患者さんと40年以上にわたり向き合って参りました。医学を学び始めた頃にご指導いただいた恩師・遠藤康夫先生は、駐日米国大使エドウィン・オールドファザー・ライシャワー氏がC型肝炎で苦しまれた際の主治医でもありました。ライシャワー氏は1990年に逝去され、日本とアメリカの架け橋になりたいというご遺志に基づき、その遺骨は太平洋に散骨されました。
日本における献血制度は、ライシャワー氏が日本で輸血を受けた際にHCVへ感染された出来事を契機として整備されました。現在では遺伝子検査によるスクリーニングが実施され、血液製剤を介したHIVおよびHCV感染はほぼ完全に防止されています。しかし、かつては多くの方々がエイズや肝細胞癌によって深刻な苦しみを強いられました。血液製剤を含む医薬品は、ときに予期しない有害事象を引き起こすことがあり、医療者として決して忘れてはならない重要な教訓です。
和解に際し、皆様は同様の薬害を二度と起こさないために、行政改革、感染者への継続的な医療支援制度の確立、さらには診療と研究を担う医療機関を全国に整備することを強く求められました。これらの取り組みは、その後の日本の医療体制に大きな変革をもたらしました。
私は現在、この薬害エイズの歴史において重要な役割を果たしてきた二つの施設に勤務しております。二度とこのような不幸な出来事を繰り返さないよう、多くの皆様とともに歴史を語り継ぎ、得られた教訓を未来へ引き継いでいきたいと考えております。









